次の日曜日、早速秋葉原へ来てみた。相変わらずすごい人出だ。
今まで気が付かなかったが、最近はメーカー製のパソコンの箱を担いだやつをあまり見掛けない。
ちょっと前なら某N社とか某F社などのこじゃれた箱を担いでいるたわけ者がいっぱい居たのに。
よく見れば、どこのメーカーとも知れない、いかにもと言った自作用のパソコンケースを
カートに載せて引きずりまわしているやつが目に付く。
さて、ここのところ雑誌と首っぴきでパーツの選定に余念がなかったのだが、ようやく決まったパーツを買いに来たのだ。
しかし、こんなにパソコン屋がいっぱい有るとどこでパーツを買ったら良いのかわからない。
とりあえずその辺の店を一回りして値段を見てからにしよう。
今日、購入するのはマザーボードとケースとビデオカード、それと少々の小物などだ。
CD-ROMとかフロッピーとかはあの忌々しい某N社のパソコンからむしり取ってやればいいんだ。
マザーボードと言っても何やらいろいろ有るみたいで、兎に角、今もっているCPUで使えないと困るわけだが、
ノーマルぺンティアム200で使うとなると新しいのでなくても良いのだが、
それでは面白くないので雑誌で推奨の互換チップセットを積んだマザーなんか選んだりにしてみる。
何故だか、一番最初に入った店はやたらと怪しげな所で、
不審な値段が付けられた商品ばかり置いてあった。
ところが、その店に入った途端、やたら心ときめいてしまうのは何故?
店内をきょろきょろしながら物色していると、奥のカウンターに目つきの宜しくないおやじがこっちを見ている。
見ていると言うか、睨んでいてその上、客の品定めをしているような嫌〜な目つきだ。
どうもこの店は空いているなぁ、と思ったがこんなおやじが店番をしていては客が寄り付くまい。
その内、そのおやぢの前のガラスのカウンターまで来てしまったので中を覗くと「Intel Celeron300AMHz 9250円」その上、
「450MHzクロックアップ可能」などと余計なお世話な事が書いてある。
その途端、何日も前から悩みぬいて決めたパーツリストがあっさりと消えてしまい、
代りに「Intel Celeron300AMHz 9250円」が燦然と輝いている。
ふと気が付くとその「Intel Celeron300AMHz 9250円」を握り締めていて、
サイフから金が抜けていた。
おやぢめ、術をかけやがったな!と思ったが、もうすでに買うはずでなかったCPUを
握ってしまっているし、
とするとマザーボードもSlot1用を買わなくてはなるまい。
ふらふら歩いていると、人通りの多い通りから怪しげな路地裏へ入り込んでしまっていた。
そこいら辺は小さな店がぽつぽつと点在していて、1階は普通の店、2階、3階と
上に上がるほど怪しくなって行くと言う按配だ。
おやぢは何故か2階、3階の店に入ってしまう傾向があって、行き当たりばったりで、
ますます怪しくなって行く。
気が付くと、どうにも怪しさが止まらないジャンク屋に入って、その上その店で一番怪しそうな商品を手にしていた。
「Intel 440BXマザーボード 2980円 動作確認なし!商品についての質問不可!」
おお!これは、何てことだ!?440BXがこの値段とは!
すかさず掴み取ってしまう。
と、見れば 隣には「Intel I740 グラフィックカード 3980円 Intelのチップセット以外動きません!」
これも掴んだ。
あ〜!おやぢは、なんて幸せなんだ!こんな値段で最新のテクノロジーが手に入るんだからなどと思った。
そうそう、入れ物んがないぞ!ケースを買わなくちゃ。
と見回せば、ちゃんと在る。飛び切り怪しそうなのが。