Fender Jazz Bass


このベースを買ってからもう20年が過ぎた。
これを買った頃は、ミュージッシャン生活真っ盛りであった。
と、言っても活動場所は場末のキャバレーだったり、向島の
料亭での演歌バンドだったり。思い出したらちょっと悲しく
なっちゃった。
追憶は、美化したいもんですなぁ。
それまで、友人に借りたFender Precision Bassを使って
居たのだが、いつまでも借り物で仕事をするのは潔くないと
思い、御茶ノ水の石橋楽器で買ったのがこれである。
これは、Fender Japanが出来た頃の製品であるが、作りは
非常に良く出来ている。
製造は、富士弦楽器製造(グレコと同じ)なので下手をすると
アメリカのFenderよりも作りがしっかりしていたりする。
大体、70年代〜80年代のCBS Fenderは最悪な時期であった。
日本に入ってくるFenderは特に悪くて、ネックが中心から
ずれているとか、継ぎ目が3mmも開いているとか、そんな
のばかりだった。
それに、USA・Fenderのボディーはアッシュとかアルダーとか
すごく軽い材質だったが、Japan・Fenderはセンとか割と
重たい材を使っていたのでバランスが良いのだ。
ただ、こいつは買った時からフロントのピックアップの音が
変だ。妙に詰まったような、伸びのない音しか出ない。
リアーはやけに硬い音しか出ないし、よく使っていたもんだ。
最近は、もう全く出番がないのでただ存在しているだけだが、
一時は、フレットレスのネックを付けてみたり、ずいぶん
活躍したものだが、前回、弦を交換したのは何年前だろう?
最近は、ネックも反ってしまい音程が怪しくなってしまった。

このベースは、去年、旧友の故M君に貸していたところ彼が
急死してしまいそのまま遺品整理屋に処分されてしまった。
まさかそのような末路を辿るとは予想だにしていなかった。



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