頼みの電動ドリルも壊れ、仕方なくノミとトンカチで質の悪いラワンを削り続ける事 数日、やっと殆どのラワンを削り取る事が出来たが、その下にはラワンより堅くて 手に負えないメイプルが現れて来た。 ドリルもなく、丸ノミもない現状ではこの堅いメイプルを削る事は不可能だ。 暫くあちこちノミで突いていたが、これは諦めざるを得ない。 そこで今度はヤスリを持ち出してきて内部をゴリゴリやり始めた。少しでも薄くしたい 悪あがきであったが、これもすぐに頓挫してしまった。 「くそう!、ルーターでもあればもう少し綺麗に削れるのになぁ〜」溜息をついてもどうにも ならない。 もうこうなったら紙やすりで仕上げるしかあるまい、おやじは汗を掻きかきこすり続けた。 サンドペーパーをかける事数時間、木目の粗いラワンもやっと滑らかになって来た。 替わりにおやじがすっかりしょぼくれてしまった。 「あ〜、もうダメだ!これ以上は体がもたない!」 この日の気温は38度! おやぢの部屋のクーラーは梅雨頃から故障して動かないのだ。 汗だくでおやぢはギターを放り出した。もうちょっとで死ぬところだった。 |