LesPaul改造計画

第五話


頼みの電動ドリルも壊れ、仕方なくノミとトンカチで質の悪いラワンを削り続ける事
数日、やっと殆どのラワンを削り取る事が出来たが、その下にはラワンより堅くて
手に負えないメイプルが現れて来た。
ドリルもなく、丸ノミもない現状ではこの堅いメイプルを削る事は不可能だ。
暫くあちこちノミで突いていたが、これは諦めざるを得ない。
そこで今度はヤスリを持ち出してきて内部をゴリゴリやり始めた。少しでも薄くしたい
悪あがきであったが、これもすぐに頓挫してしまった。
「くそう!、ルーターでもあればもう少し綺麗に削れるのになぁ〜」溜息をついてもどうにも
ならない。
もうこうなったら紙やすりで仕上げるしかあるまい、おやじは汗を掻きかきこすり続けた。
サンドペーパーをかける事数時間、木目の粗いラワンもやっと滑らかになって来た。
替わりにおやじがすっかりしょぼくれてしまった。
「あ〜、もうダメだ!これ以上は体がもたない!」
この日の気温は38度! おやぢの部屋のクーラーは梅雨頃から故障して動かないのだ。
汗だくでおやぢはギターを放り出した。もうちょっとで死ぬところだった。



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