昨日の晩から明け方にかけて雨が降っていたらしい。この時期、一雨ごとに初夏が近づくようだ。 午後から出掛けた河川敷は、気温も上がり日差しが強くなってかなり初夏じみてきた。 このように雨が降って、木の根元の枯葉や草が濡れて来ないとヒラタは発生しない。 ヒラタは生きていくのに相当の湿度が必要なようだ。それと、河川敷の場合「樹液が染み出している洞」がないとダメで、これはカミキリの幼虫が齧った食痕が相当する。 柳の木にはこれらの「カミキリ幼虫の食痕」が無数にあるのだが、それと同時にこれがあるために風が強いと枝や幹が折れやすいのだ。 河川敷のヤナギの木は、よく観察すると「カミキリが齧った食痕で出来た節や洞だらけ」なのだが、これがあるお陰でクワガタが生息できる。 最近、クヌギの林へ行っても「全く樹液が出ていない」と言うのをよく目や耳にするが、これはクヌギに寄生する「ボクトウ蛾」や「カミキリ」が絶滅した事も関係する。 つまり、クヌギが一杯ある森へ行っても「生物の気配」がしないのは、昭和4〜50年頃盛んに行われた「屋外消毒」でボクトウ蛾やカミキリが全滅して、クヌギの樹皮や幹を傷付ける昆虫が失われたことも原因だと思う。 それに地球温暖化や乾燥化によって森全体が乾燥しているのも見逃せない。 もしも近所に「クヌギはあるのに樹液が全くでない」林があったら、どこかカミキリが沢山居るところでカミキリを採集して林に放してやれば上手く行けば翌年からクヌギに樹液が出るようになるかもしれない。 カミキリがクヌギの樹皮に卵を産み付けると、幼虫は樹皮の下を食い進みながら成長する。樹液はそう言う所から出て来るのだ。 今度試しに、河川敷にイヤと言うほど居るカミキリを何匹か採集して近所の「樹液が全く出ないクヌギ林」に放してみようと思う。 それでクヌギから樹液が出るようになったら「河川敷産クワガタ」を放虫してみる。この場合、この林と河川敷とは数キロしか離れていないので生息するクワガタは「同じ遺伝情報を共有する一族」だと思うから問題は無いと思う。 近所の昔からこの地に住んでいる人に聞いたら、その林にも昔は沢山ノコやコクワが居たと言う。 そうやってカミキリとクワガタを時間差的に放虫して、クワガタの生息域を広げていくのだ。 勿論、放虫するのは「その地域で採集したクワガタ」に限るのは当然の事だ。 大体、近所のガキや息子に聞いても「近所の林でクワガタなんか居る訳が無い」と思っているから当分は誰も採集に来ないだろう。 そうしていつの間にか増殖しておけば、毎年子供らが採集しても絶滅する事はなくなる。 ワシがかつて釣りに夢中だった頃、激減した魚を取り戻すために「発眼卵放流」や「禁漁区域の設定」等を行ってどうにかこうにか魚を増やした事がある。 だが、残念な事に「遺伝子の撹乱」を起こさせてしまったのも事実だった。 同じ間違いを繰り返さない為にも増殖するための「種親」は同一地域のものでないといけない。 こうしてワシの「クワガタ・パラダイス拡張計画」は進んでいくのである。