毎日、蒸し暑い日が続いている。ある意味、夏本番と言えなくもない。 今年は梅雨明けが遅かったからなぁ。 でも、河川敷にはどことなく秋の気配が忍び寄りつつある。 河川敷のヤナギの枝には、相変わらずカブトやクワガタやカナブンが集まって、餌を食っている。 だが、よく見れば、7月頃のピカピカの体ではなく、傷つき汚れが目立ち始めている。 角は折れ、甲は傷だらけになった。 毎日、餌やメスを巡って争い続けた傷跡であろう。 地面には、カラスにやられたのか「頭だけ」とか「角だけ」の虫の部品も落ちている。 中には寿命を全うせずに死んでいった虫も多いのだろう。 もう少したてば、メスたちも土に潜り卵を産み始めるだろう。 そして、来年も再来年も今年と同じように河川敷はカブトやクワガタで溢れるだろう。 今までに何度も、壊滅的な災害に会い、それでもちゃんと復活してきた。 自然の力は強靭である。 ワシは河川敷をクワガタ・パラダイスにしようと思っていた。そして、その為に何が出来るか調べていた。 判ったことは「何もしない事が良い」と言うことだった。 自然の力は偉大であり、人のやる事は「単なる自然破壊」にしかならない。 クワガタの為にと思ってやる事は、お節介であり邪魔なだけだった。 ワシが出来る事といったら「ただ見ている事」だけである。 この1年、河川敷に通い詰めて思い知らされたのは「自然の底力をナメてはいけない」と言うことだった。 ワシはきっと、来年も再来年も河川敷の時の移り変わりを眺めていくだろう。 それだけで十分であり、全てである。