今日は久々に多摩川の河川敷に行ってみた。 すっかり河川敷は冬枯れて、背の丈程あった草むらは枯れ果てている。 もしかすると、今まで草に隠れていた朽ち木が見付るかもしれない。 この河川敷の何処でクワガタ達は繁殖しているのだろう? 端から朽木を探して歩き回る。 よく見れば、かなりあちこちに朽ち木が点在している。 しかし、朽木と言ってもただ転がっているような朽木ではダメな気がする。 大体、転がっている朽木は乾き切っていて、幼虫が生存できる環境ではないような気がするのだ。 まぁ、コクワガタならそのような朽木にでも入っているとは思うが。 以前、ノコギリクワガタの死骸が落ちていた柳の木の近くの草むらを見ていたら地中から朽ち木が突き出してのに目が止まった。 地表から顔を出しているいる部分は乾いているが、埋まってしまっている部分がありそうなので掘ってみることにした。 掘ってみると、直径20センチ長さ数メートルの朽ち木が埋まっていた。 しかし、表面を眺めているだけではクワガタの幼虫が生息しているかどうか判らないので「禁断の朽木割り」を行うことにした。 まず、地表から顔を出している部分を削ってみる。が、アリが巣を作っていて他には何も出てこない。 次に、泥に埋まった端っこの部分を削る。 少しは湿り気が多くなり、ハサミ虫等が出てくる。木の表面から芯の方へ向かって食痕が続いているので追いかけながら削って行く。 朽木は湿り気が多くなって、割と柔らかい。少し削るとまだ小さい幼虫が出てきた。 ただ、幼虫を見ただけでは何の幼虫か全く判別できない。 今度は今の部分より深く泥に埋まっている部分を削ってみると、皮のすぐ下から大きい食痕がいくつも出てきた。 ここはナタではなくシャベルで削れる程木が柔らかい。ちょっと削ったら少し大きめの幼虫が何匹も続けざまに出てきた。 う〜ん、何だろう? ノコギリクワガタかヒラタクワガタか? 朽木の周りの泥をどけていたら、朽木と泥の境目から幼虫が出てきた。これはノコギリか? でも小さい。 朽木の地表側より裏側の方が大きい幼虫が多いように感じた。 周りの泥は結構乾いているが、朽木の内部は湿度がかなり高い気がする。 一番、泥の深い所の部分には多数の食痕が交差しており、かなり多くの幼虫が長い年月生息していた事を窺がわせる。 ただ、まだ木の中心部分には硬い部分が多く残っていて、幼虫はその周りをグルグル回りながら成長していくようだ。 ここでは泥の部分からカブト虫の幼虫も出土した。多分、朽木の表面の泥化した部分を食べていたのだろう。 気が付いたら、随分朽木を削ってしまった。 出てきた幼虫は、全部で18匹。大きいのから小さいのまで随分マチマチだ。 削った朽木を元に戻し埋め戻して調査終了。 所要時間は3〜40分。 残りの河川敷を見て歩いて帰る事にしたが、土手の近くの林の中に落ちていた朽木を、ワシ以外の人間が削った跡が残されていた。 どうやらけっこう大きなオノかなんかで割ったみたいだ。しかし、こんな乾いた朽木を割ったってコクワしか出ないと思うけど。 それと、割った朽木のカスをそのままにしているのはいただけないぞ! 狭い河川敷ではあるが、結構朽ち木が在るものだと思った。 1本の朽木に数十匹のクワガタの幼虫が居るとすると、数百匹は確実に発生するのだろう。 それが、また繁殖すると数千匹のクワガタになると思うが、この河川敷にはそれだけのクワガタを許容できるだけの樹木と樹液があるとは思えない。 どうなるのだろう? どこかへ移動するか飢え死にするしかないだろうな。 やはり、カラスに食われたり、人間に採集されたりして間引きされないと結局は生き残れないのだろうか? でも、自然はちゃんとその辺を調整しているのだろうなぁ。 やはり自然は凄いなぁ。