きょうは今年のクワガタ採集について振り返ってみたい。
普段、ワシが採集に行くのは多摩丘陵と多摩川河川敷である。
今年は、多摩丘陵が全くダメで多摩川河川敷が好発生であった。
しかし、何故に森林規模の大きい多摩丘陵でクワガタの発生が少ないのか?
ん〜ん、実に不思議である。

家から見ると、多摩丘陵は南に見える。と、言う事は見えている山は北側斜面と言うことになる。
では、南側斜面はどうなっているか?と言うと「住宅地として造成されている」のがわかった。
つまり、日当たりの良い南側斜面は相当昔から造成されて森林は破壊されている。
これは多摩丘陵全体に言える事で、資産価値の高い南側斜面は昔から開発されて自然が失われていたのだ。
残っている森林部分は、環境の悪い北側斜面だけだと言うことだ。

やはり日当たりの悪い所に生えているクヌギは樹液の出が悪い。
どうしても森全体での樹液の量が少ないので棲息するクワガタの量や種類が減ってしまうのだろうか?

考えてみれば、多摩川の河川敷は日当たりが良く、風通しも良い。その上、ここにクワガタが生息している事を知っている採集者も少ないので、採集圧も低く、狭い樹林に密集して棲息しているのかも知れない。

しかし、折角広大な雑木林があるのにクワガタが少ないのは勿体無い。
大体、6〜7月に樹液が全く出ていないのでクワガタが発生しても餌がなくて逃げるか死んでしまう。その為に繁殖する事もできず量も減ってしまい、それが長年続く事でクワガタ類が全く棲息しない森林ができたのか?

今年の春に多摩丘陵で、朽木のクワガタ幼虫の生息を調査したが、コクワガタがほんの少し発見されただけだった。
ノコやヒラタは全く発見されず、若干カブト虫の幼虫が居るだけだったりした。

どうしたらクワガタ類を森に戻す事が出来るか? 余りに難しくてなかなか良いアイデアが浮かばない。