おやぢは釣りが好き Part2
初夏は信州でしょう

2002/6/6



ゴールデンウィークも過ぎ、新緑も緑が濃くなる頃、おやぢは 心の奥でまた、釣りの虫がむずむずするのを感じていた。
「あ〜、毎日、毎日、仕事は休めないし、気晴らしがしたいなぁ〜」
おい!、こら、おやぢ、そんな事を言って、お前は毎日家でパソコンの ディスプレと睨めっこしてるだけじゃねぇか!
このおやぢは、最近仕事をしくじって家で燻ぶっているのである。
自分では「俺は相場で飯を食ってるんだ!」などとのたまっているが 単なる隠居おやぢ一歩手前、もしくは廃人同様のデイトレーダーだとか。
と言う訳で、またこのおやぢは釣りに行くことにした。
目指す釣り場は、信州は八ヶ岳方面。
富士川水系の釜無川支流塩川と言う川である。
数日前から釣り支度を始め、前日には8時に寝てしまったが、変な時間に目が覚めて 困ってしまう。
結局、寝たような寝ないような最悪のコンディションで早朝3時半に家を出た。
以前は月に何度も通った道なれど、さすが此処最近はすっかりご無沙汰と来ては どうにも道筋が覚束ない。
本当は、明け方までに釣り場に着きたい所だが、どうした訳か、高速道路を一つ手前の 料金所で下りてしまったところあたりから雲行きが変な事になって来た。
兎に角、下りてしまったもんはしょうがないと走り始めたが、そこでまた道を間違えた 事に気が付かない。
出来うれば、佐久甲州街道を右折するところを、そのまま甲州街道を右折したから 余計に訳のわからない事になってきて、気が付いた時にはとんでもなく違う所に やって来ていたと言うお粗末。
慌てて方向変換したものの、予定の時刻からはとんでもなく遅れてしまった。



やっと釣り場についたら、夜明けどころか、いつもなら一仕事終わる時刻になってしまい すっかりやる気を削がれたおやぢであったが、見覚えのある山々を見てちょっとは安堵する おやぢであった。


さぁ、釣ろうとお気に入りのポイントへ来て見れば、なんとそこは災害復旧工事で コンクリートの護岸になっていた。
「ひえぇ〜、なんてこったぁ〜。わしの大事なポイントがぁ〜!」
以前そこにあったはずの大きな淵はなくなり、変哲のない堰堤があるだけ。
辺りは重機できれいに均され、魚のさの字もない。
仕方なくポイントを移動、少し下流へやって来た。



この辺りは、それ程工事の影響を受けていない。
ありがたや、ありがたや、どうやら釣りになりそうだ。が、すでに時刻は朝8時を過ぎて いる。
果たして釣れるだろうか?
心配しまがら仕掛けに餌を付けて、岩の裏の少しこ深いポイントに仕掛けを投入する。
すぐさまゴツゴツと言うはっきりした当たりがある、鋭く合わせを入れると小さな 手応えがあるが、つれたのは10cmにも満たない仔ヤマメでがっかり。
魚影は濃いが、そんな仔ヤマメばかり掛かって困る。
少しずつ上流へ移動して、少し大きな堰堤の深みを探ってみると、見るからに良いポイント があるが、困った事に流木が入っている。
しかし、そう言う障害物がヤマメのエゴ(隠れ場所)になって本当は一番良いポイントなのだ
うまく流さないと、流木に仕掛けを引っ掛けてしまう。
かなり深い。そして、流木で出来た複雑な流れが見事なポイントを形成している。
最初はうまくポイントに入らなかった。
しばし息を整え、もう一度、再挑戦。今度は上手く入った。
流れに任せて、そーっと流すこと3拍、目印が鋭く引き込まれた。
重たい手応えに無上の喜びを覚えつつ、慎重にランディングした獲物は25cmオーバーの 見事なアマゴであった。
そのポイントでもう2匹追加して、釣り上がろうとしたら、なんと餌の入れ物をひっくり 返してしまい、餌が川原の石の間に大散乱
! あ〜、もうぅ嫌〜!拾おうにも、柔らかいイクラは砂やらゴミやらと混じって摘むに摘めない
どうしようかと思ったが、これはもうお終いにしろと言う神様のご宣託だと感じ竿を仕舞う。


その後、塩川本流の合流部等見て回るが、水量が少なく餌釣りは難しそうだ。
次に来る時は、フライ・フイッシィングでやってみたいと思うが、毛鉤を巻くの 面倒臭いなぁ、など考えてしまう。
合流の少し上に、ちょっとした滝があるのだが、そこは大きなプールになっていて 先行した人が言うには尺ヤマメが群泳しているそうだ。




この川も、上流にダムが出来なければ良い釣り場だったが、長年続いたダム工事で すっかり荒廃してしまったと感じるの私だけだろうか?
付近のロケーションとしては、近くに増富ラジウム鉱泉があり、夏の行楽にも良い処 でもあるし。


そのうち、もう少しのんびり滞在できるスケジュールを作りたいなぁ、とも思う。
帰りは道も間違えず、実にスムーズに帰ってしまった。
往復で、走行距離約300km。ガソリン25リッター、高速料金5000円。
やはりちょっと遠いよなぁ、信州は。