おやぢは釣りが好き

2002/3/17



おやぢは何故か釣りが好きである。
それは、子供の頃からの趣味で、今に始まった事ではない。
若い頃は、それがために何度も人生をしくじりそうになった程だ。
でも、最近は歳の所為か出歩くのがおっくうになってきて余り釣りの事で 騒がなくなってきた。
ひと頃は、フライフイッシングと云うものに凝ってしまい、数年間は週に2〜3日は 渓流に通う生活をしていた頃もある。
その為に、車の走行距離は数年で10万キロを越えてしまいいつもガタガタだったし、
その当時おやぢは、営業の仕事をしていたのだが、受け持ち地区が山梨、静岡、新潟だった ためか、出張と称しては山梨の山の中とか、静岡の防波堤とかに出没して魚さんと 遊んでばかりいた。
なんでそんなに釣りにのめり込んでいたのか疑問だが、どうやらおやぢは現実逃避の ために釣りにのめり込んでいたらしい。
そんな訳で、おやぢは釣りが好きなのだが、最近はもっぱらジャンクのパソコン作りやら 株式投資やらに現実逃避の方策を見出していたので、とんと釣りには行かなかったのだ。
しかし、ここ数日の春の陽気に何やら感ずる処があったらしく、いきなり釣りの支度など 始めてしまった。
さて、今回の釣行の目的地はと言うと、おやぢが若い頃から大事にしてきた穴場である所の 相模川水系桂川支流鹿留川の支流の大沢川と言う随分ややこしい川なのだ。
時は、渓流釣り解禁直後の3月17日と決まった。

大沢川の入渓点、地元のガキが釣りしている。

当日、朝4時にはむっくり起き出すおやぢ。
電光石火の素早さで身支度をすませると。脱兎の勢いで出掛けていく。
車を車庫から出して出発したのが、4時20分、まだ夜は明け切ってはおらず、夜明け前の 闇夜である。
しかし、川までの道はおやぢの通い慣れた道すがらである。
現地に到着したのは5時50分。約75キロの距離を1時間半で来た訳だが、これが おやぢの平均的な走行時間である。
川に着いた時にはまだ少し薄暗くて釣りは出来なかったので、お茶を飲んで一服する。
大体いつもと同じである。今はまだ春なので、この時間はまだ夜が開け切っておらず 薄暗いのだが、初夏になったらこの時間が一番釣れる時間帯なので遅れる訳にはいかないのだ。


度重なる出水や自然災害の度にこうした堰堤が作られてしまい、川を分断してしまう。
昔、 ここには大きな淵が有って大きなヤマメや岩魚が群泳していた。


一服が終わると、おもむろに竿を取り出し、仕掛けを用意して川に入る。
この釣りは最初の1投目が肝心である。何故なら、渓流魚はそこに居ればまず1投目に 食い付いてくるからである。
じゃによって、最初の1投目でしくじるとそのポイントの魚はまず釣れない。
全神経をこの第1投目に集中することになる。
だから、1投目でアタリがなければそこには魚は居ないと云うことになる。
非常に短気な釣りなのだが、魚が居ない場所でねばっても時間の無駄になるだけなので すぐに場所を移動する。これが、渓流釣りの常識なのだ。
魚が少ない川では、釣りをしている時間より、川を遡行している方が多くなってしまう 場合もある。
しかし、これこそが渓流釣りの醍醐味といっても過言ではない。
次々現れる、落ち込みや深み、開けた緩流、鏡のように静かな淵。そして、川の周りを 彩る木々の緑や、季節の移ろい毎に変わっていく自然の変化を、訪れる度に違った 姿で見せてくれる。
極稀に川岸にやって来るリスやタヌキ、様々な野鳥などと云った動物達。動物園では見せてくれない 本当の野生の姿。
それらに会えるだけで目的の半分は達成してしまえる。
勿論、魚が釣れるに越したことは無いのだが、1匹でも釣れれば「今年もヤマメに会えた」 と喜んでしまう。
それで良いのだとおやぢは思う。 結局、今回の釣行で釣れたのは、まだ冬篭りのサビの抜けない天然もののチビヤマメが1匹。
でも、今年も顔を見れたからよしとしよう。

今回釣れたヤマメ、まだ冬越しのサビが残っている。

なかなか渓相は良いのだが


ここも良さげなポイント、でも魚居らず


川に沿って道があるのでとても楽

昔からあって、打ち捨てられたバンガロー,ちょっと不気味?!