コンピュータと私

そもそも、私は最初コンピュータに対してかなり懐疑的な感情を持っていた。
なにしろ、初めて見たコンピュータと言うのが、かのアップル社の”アップル?”などと言う 8ビットパソコンで、CPUだってせいぜい4.75Mz位の処理速度しかなかっいものだったが、 音楽に使いたかったのだがビープ音が3音出るだけなどと言うふざけた仕様では話にならないと思ったからだ。
で、まわりの人たちには「パソコンはまだまだだね」などと言っておきながら、舌の根も乾かぬうちに 友達が購入してさっぱり使い方が分からないと言う某Sharp社製のMZ80K2Cと言う CPUにザイログのZ80を使用したパソコンを借りて来て遊び倒していた。
こいつは、パソコン本体にディスプレイとキーボードとカセットテープのデッキが付いていて(何しろこの頃はプログラムを カセットテープに記録していた)。OSなんぞと言う気の利いたものなぞどこにもなくて、パソコンを起動する時にカセットからBASICのシステムを 読み込んで、それから何か始めると言う現在の100倍位気の長い人向きのパソコンだった。
それでもBASICと簡単なアセンブラ言語で異常に単純なゲームソフトを自作して遊んだりは出来た。

しばらくして、MSXなぞと言う規格が出てきてCPUはやはりZ80Bで、メモリーを64kのせたパソコンが出てきたので、つい買ってしまった。
某東芝社製の”PASOPIA IQ”と言うパソコンで、ROMカートリッジが使えて、漢字を使ったワープロが出来ると言うのでブラザー社のプリンター と込みで6万4千円も出してしまった。でも、この頃FM音源(FB-01)が登場したのでYAMAHAの音源にはずいぶんお世話になったものだ。
大体、その頃まで音楽はアナログと言う感覚しか持ちあわせていなかった私はパソコン導入と同時に感性さえも 180度変換する体験を持った。
それまでの音楽の方法論は凡そ手を使ってやるものと決まっていたから楽譜も手書き、演奏はもちろん 人が手で弾く、というのが前提条件だったが、それ以降楽譜の印刷、管理そして演奏やアレンジさえもパソコンなしには成り立たなくなってしまった。

それから、また某Sharp社製のX1 Turb?などと言うその当時某NECのPC8801と性能を競い合っていたが、今一つメジャーになりきれないが、今考えると実に先鋭的な(あの頃すでにパソコンテレビとか、マルチ・メディア的な事を言っていた)パソコンをしばらく使っていたが、さすがに8ビットでは話にならなくなって来たので、1986年にとうとう某NEC社製のPC9801VM2を購入したのだ。

その当時、MS-DOSは3.1か3.3Cだったが640Kbのメモリーと10MHzと言う処理能力(今だったらトロ臭くって窓から投げたくなる)で感動したものだ。

その上、シーケンスソフトはバラード2と言うニセウインドウっぽいやつで、その重たいことと来たら砂時計の出っ放し。音源はYAMAHAのFM音源とカシオトーン、そしてRX-11と言うリズム音源の名器で、今からすればすさまじい音を出していた。 やがて音源がローランドのU220とかMT32になりリズム音源は引退して行き、ついでに外部エフェクトとして使っていたデジタル・ディレイやデジリバが内蔵エフェクトに取って替わられた。 90年代に入り、さすがにV30(8086だもんね)では役不足となり、PC9801BXを購入した。さすが

80486、20MHzは早いぞなどと喜んでおったのだが、そうこうするうちに世の中はウインドウズなるものが幅を利かせ始めていて、DOSソフトで平和に暮らして私にもDOS版のアップデートは終了などと言う冷たい風が吹きつける様になって来てはウインドウズにするしかあるめぇと相成った。 しかし、PC9801BXなぞという機種は元がDOS用(DOSを走らせれば無敵であった)なので、メモリーは足りないし、ハードディスクも小さい、挙げ句はディスプレイがマルチシンクに対応していないという三重苦。それでも何とかだましだましウインドウズを走らせていたが、95年にウインドウズ95が出るに及んでとうとう切れた。

そして次が又もやPC9821Xa10、いきなりペンティアム100MHzだ。さすがに早い、安い(私はこれを17万円で買った)、まずい(PCカードスロットルとかいらん物が付いてて使い難い)。おまけに安さにつられて買ったイージードライブと言うリムーバブル・ハードディスクがくそ使いにくくて話にならない。挙げ句は、基盤の接触不良か何かでBIOSがいかれて、大暴走、ハードディスクはぶっ飛ぶしメモリーは腐るしでたった2年で爆沈。

仕方なく買ったのがPC9821V20M7。ついにペンティアム200MHzになった。思えば、4.75MHzから始まってCPUの速度は50倍近くまで来てしまった。そのくせ値段はディスプレイ付きで19万円。PC9801VMが 39万円していたのだから半分以下。う〜ん、これは一体どういうこちゃ。この先どうなるのか楽しみじゃわい。

追補:私はこれの他にもAppleのMacintoshも使っていたりします。

どうでもいいけど、メルコのPCIバス用のSCSIボードの怪しいのはなんとかならんかなぁ。
最近、私もとうとう自作のDOS/Vパソコンを作りました。
マザーボードはちょっと前のATマザーで、CPUもサイリックスですが、なかなか調子良く動いています。
CD-ROMもこれで焼いています。

2002/2/15追記:
これを書いてから、あっという間に5〜6年の月日が流れてしまいました。
この間に、製作したPCは40台を超え、CPUも1.3ギガを超えています。
で、掛かった費用はと言うと性能は10倍近いのに、半分位の金額で出来てしまうようになりました。
この先、一体どう言う風にPCは進化していくのでしょうか?。楽しみな事であります。
2002/12/23追記:
追記を書いてまだ半年しか経っていないのに、もうCPUがPentium4の2.4ギガヘルツになってしまった。
最近、DVD+R/Wと言うDVDを書けるドライブを装備したので、益々処理能力が大きいCPUが必要になってしまった。
ハードディスクも120ギガを超えて、最初の頃の何千倍になったか計算も覚束ないほど巨大になっている。


2010年1月7日 追記
前にこの文章を書いてからアッという間に8年の歳月が流れた。
8年経ったらさぞかしCPUも早くなったかと言うとそんな事は無かった。代わりに、CPUの中身がすっかり
変わって、一つのCPUの中に2つのCPUが入っている構造になった。
スピードはと言うと逆に遅くなって現在は2.0GHzだ。
8年前には想像もつかなかったがメモリーが4Gバイトも積んでるし、ハードディスクは2.5テラバイトも
容量がある。
インターネットもごく当たり前のインフラになり2002年には8M程度だった通信速度は今や100メガも
出ている。

当時このホーム・ページが盛んになり始めた頃だったが、今はSNSが一般的でホーム・ページはすっかり
廃れてしまった。流行り廃りのスピードが早くて付いて行かれんな。
この先、このホーム・ページもいつまで存続するか早くも不明になって来た。
もう、現代では「長く続く事」の意義が問われ無いのだ。

この次いつお目にかかるか解らないが、それまでBye!!