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いざ、電源ON! Part3

次の日、会社からマザーボードを買った店にレシートの電話番号を頼りに電話をしてみた。「あのぅ、先日おたくでマザーボードを購入した者なんですが、あのマザーボード何か変なんで教えて頂きたいんですが?」 電話に出たのはどうやらあの怪しげなジャンク屋の店員らしい、「何だって?変な表示が出る?Checksum Error、...あ〜、そりゃ壊れてんのさ、Biosがね。どうにかしろって?...あのねぇ、アレ2980円だったでしょ、そんなもんまともに動くと思うほうがあんたどうかしてるよ。............そこで泣かれてもしょうがないよ、もしもし!、だったらねぇ、もしかしたらBiosのアップデートちゅうのをだね、もしもし、!!泣いてじゃねぇよ,いい年して、だから、Biosのアップデートちゅうのをしてやれば動くかもしれないちゅうの。 ..........何だと、売っておいて無責任な事言うなだと!.....あんたねぇ、秋葉原でジャンク品買うのは余程知識に自信があるか、ばくちみたいなもんだよ!....そんなの常識だってば、 .........どこにそのBiosが在るかって?そんなもん知らないよ。お客さん、自分で探してよ、こっちは忙しいんだから、はいはい、そんじゃよろしくね」 へたり込むおやぢ、「どうすりゃいいんだ??、とほほほ〜」 丁度そこへ、知り合いの、会社に端末などの機材を納入している業者が通り掛った。「あっ課長!毎度どうも、お世話様で、りゃ?どうしました?泣きはらしちゃって、これにふられましたか?」などと言って小指を出している。「ひょほほ〜、いやぁ、そんなんじゃなくて、もっと性質の悪いのだよ」などと言いつつ涙ながらに事の成り行きを話した。 「そりゃ災難でしたね。まぁ、秋葉原じゃそう言うこともよくありますからねぇ、で、そのナニはなんて言うメーカーなんですか?」 「マザーボードか?Freetechとか書いてあったけど」 「ああ、それじゃ、課長の端末、インターネットに入れましたよねぇ?そこからアップデートのデータをダウンロードしましょ。」 「入れるけど、メーカーのサイトなんかどこにあるか知らないぞ?」 「いえいえ、ちょっとこれで検索して、ほ〜ら、あった!」 成る程、見事にメーカーのサイトにつながった。 「ここからそのマザーボードのBiosをダウンロードするんですよ。型番は何ですって?.......P6F91i..と。2MのBiosですねぇ、今ダウンロードが終わりますから。.....................よし、終わった。解凍して起動用フロッピーにコピーしてと、これをですねぇ、課長のお宅に持って帰って、awdflash.p9102bin /py/snって書いたautoexec.batを作っておきましたからフロッピーに差しこんで、起動して風呂でも入って出てくればBiosの書き換え完了とこう言う訳です。」 「いや〜、君はすごい!プロフェッショナル!、さすがだねぇ。いや〜助かったよ、地獄で仏とはこのことだね!」 「うちの製品も宜しくお願いしますよ。ねっ、アフターサービスも万全でしょ!」 「よしよし、部長にもよく伝えとくから、任せなさい!」 その晩、早速おやぢは言われた通りにフロッピーを突っ込んで起動した。 すると、今まで見たこともない画面が出てきて何かプログラムが動いているらしかった。 「おお!これがBiosアップデートプログラムちゅうやつか!触ると危ないからしばらく放っておこう」 一風呂浴びて戻って来ると画面にはBiosのアップデートが完了したから再起動しろと言ったメッセージが出ていた。 「よし!今度こそ行け!」フロッピーを抜いて再起動をすると「ピポ」と言う音がしてCPUの種類とかメモリのチェックとか始まっている。 「おおっ、素晴らしい!今度こそ起動している!.........が、ハードディスクもCD-ROMもNonちゅうのは何故だ?いかん!Keyboardも付いていないのでエラーになってるぞ!一難去ってまた一難かぁ〜、まぁいいや、ちゃんと起動できたから」 それから、ケーブルを抜いたり差したり、ジャンパーピンをあっちに差したりこっちに差したり悪戦苦闘してしていたおやぢであった。 又もやケースのあちこちで血だるまになりながらもどうやらPCは完成の域に近づいたようだった。 その日の深夜、かくしておやぢのPCはハードディスクもCD-ROMもキーボードもちゃんと認識して完成したのだった。



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