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組み立ては流血の惨事か part1

大きな荷物を担いで帰ると、もうおやぢは疲れ果ていた。
とにかくコーヒーでも一杯飲んで一休みしないと死にそうだ。
これでパーツも揃ったし、足りないパーツは某N社のパソコンからむしり取れば良いはず。
一服してから家内の「もう夕食ですよ」と言うのもおかまいなしで組み立てに入った。
まずケースの蓋を外そうと思ったがこれがなかなか難しい。
どこから開けたら良いのかわからない。
「何だ?どこから開けろって言うんだ。
馬鹿にしやがって」などとおやぢは悪態をつきながら手当たり次第にスクリューを取り外したが一向に蓋は開かない。
悪戦苦闘20分、おやぢは疲れ果ててケースを前に頭を抱えた。
「くそーぅ、何なんだ。馬鹿野郎ぅ!」
家内がうるさくご飯ですよ言いにに来るので仕方なく飯にする。
食後タバコを吸いながらケースを眺めていると3歳の息子がよちよち部屋に入って来てケースを抱えて舐めまわしていたが、
そのうち飽きてごろんと転がしてしまったので「こら!危ないからあっちで遊んでいろ!」
などとどなりつけると「きゃっ!」なんかいいながら出て行ったのでケースをみると
あれほど開かなかったケースが口を開けているではないか。
見れば、ケースの脇を少し後ろにずらしてやればすぐ蓋は外れるのだ。
やにはにマザーボードを箱から取り出すとおやぢはケースに入れてみた。
「これならちゃんと入りそうだ」しかし、これをどうやってケースに取り付けたらよいのだろう?
暫く頭をひねっていたが、脇に入っていたスクリューとかスペーサーを見付けて
「そうか!これで付ければ良いんだ。」マザーボードを大体の位置に合わせて、
穴を合わせるとちゃんと合う。そこにスぺーサーを付ければよいのだが、
狭くてうまく付けられない。
「わー、駄目だ!やっておれん!」手があっちこっちにぶつかってうまく捻じ込めないのだ。
そのうち、ケースの中があちこち妙な色が塗ってあるのに気付いた。
「何だ、やけに派手な色があちこち塗ってあるが、最初から塗ってあったかな?」........
「うわっ、どんどん広がって行くぞ!?..... か?!?!だ!、が出た!
手が切れてが出る〜.......
ふ、拭かないと、紙がない!、ビニール袋いや、こ、これはいかん、マニュアルだ、あ〜!、どうすりゃいいんだ??
あ〜、何でもいい!。駄目だ!拭いてもふいても・・・・・
いやっ、を止める方が先だ、そこら中、切れてるぞ!、手がとれる?!」
おやぢは完全にパニくって訳が分からなくなっている。
傷の手当てやら、その辺に撒き散らされた飛沫やらを拭き取ってやっと我に帰ってみたら、
もう夜も更けてしまっていた。


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